俺様社長の言いなりです
「どうぞこれからよろしくお願いします」


婚姻届に記入を終えた私に会長が深々とお辞儀した。


「いえ、こちらこそ。ふつつか者ですがよろしくお願いします」


ふと会長の横に立つ父の顔を見ると涙ぐんでいた。


「泣かないでよ」


「いやいや。安心してね。小春の母親が亡くなってからは私も仕事が忙しくって
構ってあげられなくってね。寂しい思いをさせてたから。……翔くん、どうかうちの小春をよろしく頼む」


父が深々と社長にお辞儀をした。


「小春さんとなら幸せな家庭を築けると思います」


社長はにこりと父に微笑んだ。
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