ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜
恵里奈はまだ高校生。
出会いなんてこの先沢山ある。
大学に行って、サークルに入って、就職して。
色んな経験をするだろう。
そこはもうすぐ30のおっさんが踏み込める空間じゃない。
俺の知らない、俺のいない、恵里奈の世界があるんだ。
反対に、恵里奈が入り込めない俺の世界だって存在する。
当然、カフェの裏側なんて入れるわけないし、接客業なだけあって出会いは沢山転がってる。
客はもちろん、同じパティシエとの交流だってある。
“信じ合わなければ”
それはどのカップルにも言えることかもしれないが、俺は年の差が大きいほどリスクは大きいと思ってる。
恵里奈が言わないなら聞かないし、話したいならどんなことでも聞く。
「じゃあ家まで送ってくな。それは拒否権ないから」
恵里奈はそれ以上、突っ込まれなかったことにややホッとしているようだ。
こいつ、ホント正直な性格してる。
嘘なんてつけないし、多分悪いことだって出来ないと思う。