ふわ恋。〜一番の恋を貴方と〜


二人分のワッフルを焼き上げた後、生クリームやフルーツを載せて綺麗に盛り付ける。

そういえば、恵里奈のやつ俺が作ったパンケーキを見て芸術品だって言ってたよな。

そんな奴、初めてだったから笑って胡麻化したけど、正直嬉しかった。

あの時、恵里奈が誰よりも可愛く見えて、目が合わせられなかったのを覚えてる。

そんなダサいこと、恵里奈には言えないけど。


あの時のことを思い出しながらニヤけていると、柚姫ちゃんが怪訝そうな顔をしてキッチンに入ってきた。


「並木さんにお客様です」

「客?」

「…女性のお客様ですよ」


女…?
女の知り合いはいないわけじゃないが、ここに訪ねてくるような親しい間柄の奴はいない。


「恵里奈ちゃん…不安そうな顔してましたよ?」

「は?」

「は?って、そりゃあ不安になりますよ!あんな可愛らしい人が彼氏を訪ねてきたら。後でちゃんとフォローしとかないと駄目ですよ?」


「そういうの疎そうだからな、並木さんは」と呆れたように言う柚姫ちゃんに、返す言葉がない。

確かに、俺はそういうところに疎く、これまで何度も元カノを泣かせてきた。

柚姫ちゃんが言ってくれなかったら、恵里奈まで悲しい想いをさせるとこだった。

さっき、幸せにする自信あるとか言ってたくせに、こんなんじゃまだまだだな…



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