ラヴコリーダ
部長はわたしの耳元に唇を寄せて、
「あっ…」

チュッとキスをしてきた。

「やっ…な、に…?」

自分でも出したことがない声に、わたしは戸惑う。

部長は耳にキスしたり、輪郭をなぞるように舌でなめたり、軽く歯を立てたり…。

「んっ…やっ…」

「かわいい声だな。

俺以外の輩に絶対聞かせたくない」

「やっ…何、言って…。

はっ…」

執拗以上に耳を攻めてくる部長に、わたしの躰は震えることしかできない。

もう何も考えられない…。

そう思った時、部長の唇が耳元を離れた。
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