ラヴコリーダ
「“わたし”と“彼女”のちゃんと区別をつけた方がいいと思います」

「彼女?

どう言う意味なんだ?

俺の彼女は涼香、お前だろ?」

自分でも、部長と話が噛みあっているのかどうかわからなくなってきた。

だけどそれでも口は勝手に動いて、
「わたし、見たんですからね。

昨日、部長がデパートで女の人と一緒に買い物をしていたところを」

ついには言ってはならないことを口にしてしまった。

「えっ?」

部長が驚いたと言うように聞き返した。

しまったと思ったけど、もう手遅れだった。
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