ラヴコリーダ
ああ、これが上司に逆らうと言う瞬間なのか。

心臓が早鐘を打っている。

呼吸も走っていないのに、今にも乱れそうだ。

わたしは、今部長に意見しようとしている。

「普段は無愛想なふりをしているくせに、そうやって…そうやって…」

続きが出てこない。

自分でも何を言いたいのか、よくわからない。

「“特別”と“その他大勢”の区別は、ちゃんとした方がいいと思います」

「…はっ?

何が言いたいんだ?」

それは、わたしが1番聞きたいことだ。

わたしだって、部長に何を言いたいのかわからない。
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