あなたがいなければ。【短編小説】
朝起きると、晃君の腕の中。
「起きられない。」
抱きしめられていて…。
でも起こすのも気が引ける。
私はゆっくりと腕をどける。
「うっ」
ビクッ
「スースー。」
びっくりしたぁ。
起きるかと思った!
そーっと。
そーっと。
出れたぁ!
よし。
顔洗いに行こう!
「どこ行くの?」
「洗面所!」
「へぇ。」
「行って来まー…」
えっ?
えっ!?
え゛ぇー!!
「おっ起きてたの!?」
「うん。慧里奈の寝顔見てた。」
カァァァァ
「言ってくれれば良かったのに!」
「言ったら起きちゃうじゃん。」
「べつに…」
「それより、俺…」
「?」
「そろそろ理性が壊れそう。」
「やっ!」
ドンッ
「いったぁぁ。」
「ごめんなさい!」
「そんな押さなくても…」
「ごめん。」
「じゃあ慧里奈からチューして?」
何を!?
「やっやだ!」
「じゃあゆるさなーい。」
「ぶー。」
「慧里奈、性格変わったね。」
「変わってないよ。」
「変わった変わった」
「じゃあどこが?」
「例えば…性格が女らしくなった所!」
「最初からこういう性格だよ!」
「ごめんごめん」
「もう知らない!」
ひどいよ。
もうちょっと言葉づかいがあればなぁ。