2人のユウト




 私が椅子に座ると、牧田先生は冷たい麦茶を出してくれた。



「幸菜ちゃんは、水門くんと仲が良いの?」


「えぇ・・・まぁ」



「良いわねぇ。彼氏?」



「ち、違いますよ!」



「あは、そんなに慌てて否定しなくて良いのに。
まぁ良いわ。否定するのも無理はないわね。

じゃあ、本題にうつるわね」



 突然何を言い出すんだ、この先生は。


 驚いたじゃない!



「水門くんね、2号館の廊下で倒れていたの。
何があったのか知らない?」



「えっ!?い、いつのことですか?」



「ついさっきよ。
気を失っていたから、今は寝ているわ」




 マジかよ・・・。


 どうして?



「でね、幸菜ちゃんにお願いがあるの」



「え?なんですか?」







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