2人のユウト
そう言ってドヤ顔を浮かべるのは、
私、ユキの編集者・水上灯(みなかみ・あかり)さん。
少しストレートにものを言うけれど優しい私の親友のような存在。
有名IT企業副社長さんの奥さんで、私の2コ下の舞(まい)という名の娘さんがいる。
灯さんに似て、かなり可愛い女の子だ。
「どうしたんですか灯さん。私に何か用ですか?」
「はぁ?朝メールしたでしょう?
今日放課後行くわよって」
「え?・・・あぁ、そういえば」
「忘れっぽいわねぇ。
あの大人気小説家ユキの正体とは思えないわ」
「ひどいです!」
「あら?あたし何か間違ったこと言ったかしら?」
うぅ・・・反論できない。
忘れっぽいのは本当だもの。
だからよく忘れ物して、先生に怒られるのよ。
メモしても、書いて満足するタイプだから。
意味ないのよね。