君との距離、2歩分。



「―…お前の方が圧倒的に有利なんだから、今度小夏ちゃん泣かしたら殺す。」


陽大はそれだけ言うとスタスタと帰って行った。



多分、あれが陽大なりの優しさ。


ここまでしないとオレのスイッチが入らないから。



不器用だけど普通にいい奴だなんてとっくの昔に知ってるのに。




オレらのやりとりについていけずにポカーンとする他の友達にボールを返して公園を出た。



その足で向かったのは小夏の家。



別に用事なんてなかった。

なかったけど、めちゃくちゃ小夏に会いたかった。






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