彼は、魔法使い
電車を乗り継ぎ、幼い頃に住んでいた街へと向う。


昔は、よくこの駅を使ったなぁ、、、


学校に行く時とか、買い物に出かける時とか、、、


そんなことを思い出しながら、奈々ちゃんの家へと向う。


駅から、奈々ちゃんの家に行く途中に、、、


お父さんのお店で、あたし達の家でもあった場所がある。


そこは、今じゃ知らない誰かが住んでいる。


それを見て、少し切なくなる。


だから目を逸らし、奈々ちゃんの家へと歩みを速めた。


ここには、、、


あたしの好きだった場所も、あたし自身の始まりも、、、


もう、何もない。

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