彼は、魔法使い
そんなあたしが恋愛について語るのは、早いのかもしれない。


だから、あたしは次の言葉を飲み込んだ。


「あのさ、、、芹香ちゃん?」


さっきまで笑っていた、サラさんが遠慮がちに尋ねてくる。


「また、スタイリストに、、、戻ったの?」


、、、え?あぁ、そういうことか。


サラさんはスタイリストじゃないけど、同じ業界に居る。


だから、そんなサラさんにも「あたしがスタイリストを、辞めて日本に帰った」という情報は耳に入っていたのだろう。


そして、伊織からでも聞いたのだろう。


あたしがまた、スタイリストを目指して、、、また、お店に立つことになったということを、、、


「はい。でも、今のあたしはただのアシスタントですけど」

「え?芹香ちゃんが、アシスタント?」


そこまではサラさんも知らなかったのか、驚いたような表情をする。

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