彼は、魔法使い
みんな、そうだった。


あたしのことを、ヘアメイクさんだと思ってた人ばかり。


あたしはスタイリストとして、この業界に足を踏み入れたのに、、、


何処で、ヘアメイクさんになってしまったんだろう。


そんなことを思いながら、彼女のことを仕上げてく。


「どうですか?」


ヘアメイクが終わり、彼女に確認する。


「完璧」


そう言い、笑みを溢す。


そんな彼女に、あたしは営業スマイルで対応する。


そんな術を身につけたのは、いつの頃だっただろう。


これで、良いのか?


そう、自問し続けた、あの頃。


そして、同じレールに再び足を踏み入れたのは、あたし。


もう、どうでも良い。

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