彼は、魔法使い
本当、だいの大人が何をしてるんだろう。


20歳過ぎて、キスの意味も知らなくて、、、


「恋」と言うものもが、何のかもわからなくて、、、


あたしは、どうやって生きてきたんだろう。


「意味なんて、知るかよ」


そうぶっきら棒に、直樹さんに言われる。


そして、直樹さんはマンションの中へと足を進める。


あたしは覚束ない足で、必死に直樹さんの後を追う。


先に中に入って行ったくせに、律儀にエレベーターのドアが閉まらないように待っていてくれていて、、、


優しいのか、意地悪なのか、わからない人。


あたしは、そんな直樹さんのことを見つめる。


直樹さんはあたしの視線に気付いているのか、それとも気付いていないのかわからないけど、、、


1度もあたしのことを、見ようとしない。

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