私が恋した男〜海男と都会男~
「あらあら、2人とも仲のいいこと」
「私たち年寄りばかりだから、あなたたちのような若い人がいると良いわね」
お婆さんたちは微笑みながら私たちのやり取りを見て、海藻を取り除く。
前に漁港に来た時は漁師さんもいたけれど、年齢は海斗さんよりもぐっと上の人たちが多かったよね。
「漁師さんたちは、海斗さんのように若い人は少ないんですか?」
「そうねぇ、30代は居るけど、海斗のようにここで産れた男が漁師になるって少ないのよ。みんな都会に憧れちゃって、戻ってきても大体が良い歳になってるのよね」
「うちもそうだわぁ。会社が合わないって辞めて、漁師にはならずにお店を手伝ってくれるのよ。それはいいんだけど、やっぱり若い男がいるとこの漁もしやすいのよね」
お婆さんたちがそれぞれの事情を話しながら頷き合い、海藻を取り除く。
そっか、漁師の仕事って体力勝負だから若い人たちがいるといいけれど、現実はそうじゃないんだ。
「九条さんが海斗さんのお嫁さんになってくれたら、私たち年寄りも安心なのよね」
「えっ?!」
「は?!」
お互い海藻を取り除く手の動きが止まって、お婆さんたちはにやにやしているし…。
私がお嫁さん?!海斗さんの?!そんな風に言われたのは初めてで、顔がかぁっと熱くなるのが分かる。
「えっと、その…」
「……」
海斗さんの方をちらっと見ると、海斗さんもどう返事をしたらいいか戸惑っているし、もしかして照れてる?!
「さっさと取らないと、夜になるぞ」
「は、はい」
「もー、海斗ったら照れちゃって」
「婆さんたちも早く取れよ」
海斗さんがお婆さんたちに弄られてると可笑しくって、思わず口から笑い声が漏れた。
「あんたも笑ってないで、手を動かせよ」
「はーい」
「海斗がこんなふうになるのも、面白いな」
田中さんも一緒に笑っていて、私たちがいる輪は笑い声が絶えなかった。
「私たち年寄りばかりだから、あなたたちのような若い人がいると良いわね」
お婆さんたちは微笑みながら私たちのやり取りを見て、海藻を取り除く。
前に漁港に来た時は漁師さんもいたけれど、年齢は海斗さんよりもぐっと上の人たちが多かったよね。
「漁師さんたちは、海斗さんのように若い人は少ないんですか?」
「そうねぇ、30代は居るけど、海斗のようにここで産れた男が漁師になるって少ないのよ。みんな都会に憧れちゃって、戻ってきても大体が良い歳になってるのよね」
「うちもそうだわぁ。会社が合わないって辞めて、漁師にはならずにお店を手伝ってくれるのよ。それはいいんだけど、やっぱり若い男がいるとこの漁もしやすいのよね」
お婆さんたちがそれぞれの事情を話しながら頷き合い、海藻を取り除く。
そっか、漁師の仕事って体力勝負だから若い人たちがいるといいけれど、現実はそうじゃないんだ。
「九条さんが海斗さんのお嫁さんになってくれたら、私たち年寄りも安心なのよね」
「えっ?!」
「は?!」
お互い海藻を取り除く手の動きが止まって、お婆さんたちはにやにやしているし…。
私がお嫁さん?!海斗さんの?!そんな風に言われたのは初めてで、顔がかぁっと熱くなるのが分かる。
「えっと、その…」
「……」
海斗さんの方をちらっと見ると、海斗さんもどう返事をしたらいいか戸惑っているし、もしかして照れてる?!
「さっさと取らないと、夜になるぞ」
「は、はい」
「もー、海斗ったら照れちゃって」
「婆さんたちも早く取れよ」
海斗さんがお婆さんたちに弄られてると可笑しくって、思わず口から笑い声が漏れた。
「あんたも笑ってないで、手を動かせよ」
「はーい」
「海斗がこんなふうになるのも、面白いな」
田中さんも一緒に笑っていて、私たちがいる輪は笑い声が絶えなかった。