私が恋した男〜海男と都会男~
「私にもお手伝いをさせて下さい」
「地味な作業だけど大丈夫かい?」
「大丈夫です」
「じゃぁ、海斗の隣でお願いね。海斗は手袋を貸してあげなさい」
「……分かった」
海斗さんの隣に座ると、海斗さんがゴム手袋を差し出した。
「手が荒れるから、あんたはこれを使って」
「ありがとうございます。この網に付いている海藻を取り除けばいいんですよね?」
「ああ」
海斗さんはそう答えるとまた黙々と海藻を取り除きはじめ、私も貸してもらったゴム手袋をつけて、いざ網に付いている海藻を取り除くけど、思っていた以上に取りにくい。
手にしている網も海水を吸っているので重さもあり、簡単そうに見えて結構重労働な作業だけど、皆さんは慣れているから手際良くぱぱっと海藻を取り除いてバケツに入れていく。
スーパーで海鮮物を買うときは漁に出ている人や漁港で働いている人のことまでは気にも留めていなかったので、今度から海鮮物を買うときは有難く思わなくちゃ。
黙々と海藻を取り除いていたら網の一部が絡んでいて、解こうにもゴム手袋をしているとやりづらい…、ゴム手袋を外して素手で絡んだ網を解こうとしても、絡んだ箇所がかなり硬くて解けない。
「どうした?」
「ここが絡んでいて、なかなか解けないんです」
改めて力を込めて解こうとするも、やはり駄目だ。
「ここか?」
海斗さんは自分が手にしている網を足元に置いて、私が手にしている網を奪い取ると、絡んでいる個所を両手で包んで揉んだり引っ張ったりを繰り返して解いた。
「ありがとうございます」
「あんた、不器用なんだな」
「絡んだところが固かっただけで、不器用とは関係ないです!」
人がお礼を言っているのに!何だか普段仕事で姫川編集長に駄目だしを言われているみたいで、さすが兄弟だと思う。
「地味な作業だけど大丈夫かい?」
「大丈夫です」
「じゃぁ、海斗の隣でお願いね。海斗は手袋を貸してあげなさい」
「……分かった」
海斗さんの隣に座ると、海斗さんがゴム手袋を差し出した。
「手が荒れるから、あんたはこれを使って」
「ありがとうございます。この網に付いている海藻を取り除けばいいんですよね?」
「ああ」
海斗さんはそう答えるとまた黙々と海藻を取り除きはじめ、私も貸してもらったゴム手袋をつけて、いざ網に付いている海藻を取り除くけど、思っていた以上に取りにくい。
手にしている網も海水を吸っているので重さもあり、簡単そうに見えて結構重労働な作業だけど、皆さんは慣れているから手際良くぱぱっと海藻を取り除いてバケツに入れていく。
スーパーで海鮮物を買うときは漁に出ている人や漁港で働いている人のことまでは気にも留めていなかったので、今度から海鮮物を買うときは有難く思わなくちゃ。
黙々と海藻を取り除いていたら網の一部が絡んでいて、解こうにもゴム手袋をしているとやりづらい…、ゴム手袋を外して素手で絡んだ網を解こうとしても、絡んだ箇所がかなり硬くて解けない。
「どうした?」
「ここが絡んでいて、なかなか解けないんです」
改めて力を込めて解こうとするも、やはり駄目だ。
「ここか?」
海斗さんは自分が手にしている網を足元に置いて、私が手にしている網を奪い取ると、絡んでいる個所を両手で包んで揉んだり引っ張ったりを繰り返して解いた。
「ありがとうございます」
「あんた、不器用なんだな」
「絡んだところが固かっただけで、不器用とは関係ないです!」
人がお礼を言っているのに!何だか普段仕事で姫川編集長に駄目だしを言われているみたいで、さすが兄弟だと思う。