私が恋した男〜海男と都会男~
「……」
「……」

 先ずは文字起こしをしながら文章をまとめようかな?メモに書かれた内容を見ながらキーボードを使って入力していく。

 姫川編集長も黙りながらキーボードを使い、タウン情報部のエリアだけはキーボードのキーを打つ音だけしかしなかった。

 ここの文章の後に海の家の画像を入れてみようかな?そうだ、海の家で撮影した写真の画像のデータを使ってみようっと。

 メールソフトを立ち上げて海の家から送信したデータを表示させると、やっぱ一眼カメラで撮影をした画像って綺麗だなぁ。

 モデルたちの表情も活き活きしているし、姫川編集長って文章を書くのも凄いけどカメラの撮影もプロ並みだと思う。

 画像を一枚ずつ見ていると水瀬編集長が私たちのところに来たんだけど、表情がかなり険しいというか、怒ってる?

「姫川、ちょっと外で話さない?」
「手短にしろよ。九条、何かあったらすぐ呼びにこい」
「分かりました」

 2人が編集部フロアから出ていったのを見届け、ふぅっと息を吐く。

 季刊の原稿に向き合うけど気持ちにスイッチが全然入らないや…、それは自分のせいだと頭では分かっているんだけど書ける自信がない。

 海の家の画像を見ると海斗さんが料理を作っている写真があって、この時は普通に話せていたよなぁってまた海斗さんが浮かんでくる。

 駄目駄目、目の前の原稿を書かないといけないじゃない!ちょっと濃いめの飲み物を飲んで、気分を切り替えよう。
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