私が恋した男(旧題:ナツコイ~海男と都会男~)
◆第15章:季刊完成と、好きな人がいるのに合コンに行くことになりました
意識が戻るも視界はぼやけ、窓の外の日差しは明るくて、部屋の壁に掛けている時計の時刻はもうすぐお昼になろうとしていて、かなり寝ていたんだ。

今頃編集部では忙しく走り回ったりしているのに違いないけど、疲れも取れたとは言えなくて、まだ起きたくないのが本音で、あの時姫川編集長が有給と言わなかったら絶対に体が持たなかったよなぁ。

思いがけない休みの時って何をすればいいやら…、ずっと取材か編集部で作業の繰返しでいたから、なんだか落ち着かなくて何度も寝返りをうつ。

「起きようかなぁ」

横になっていても退屈だし、近所のカフェでランチにでも行きますか。

ベットから降りて、服に着替え、スマホと財布をミニサイズのバックに入れ、今日は休みだからスニーカーじゃなくてヒールが高い靴にして、玄関を出て、近所のカフェに歩き出した。

平日の昼間だからなのか道行く人は少なくて歩きやすく、ヒールがアスファルトに触れるたびに軽快な音を奏でる。

陽射しは強く、時折吹く風は温かくて、もうすぐ夏がそこまできているのが分かり、ふと空を見上げれば海のように真っ青で、海斗さんは今頃漁に出ているのかな?

もしくは漁港で漁に使う網を整備しているのか…、ヒデ子ばあちゃんにも会いたいし、宇ノ島で暮らしている人たちの雰囲気が良くて、季刊が出来たらみんなに読んで貰いたいな。

近所のカフェに入って、ランチを食べる。

タウン情報部に異動してからは、飲食店で取材すると料理を撮影や店主へのインタビューで慌ただしくなるからゆっくり出来なくて、仕事抜きのランチってリラックス出来て最高!

すっごくリフレッシュ出来た〜





< 138 / 161 >

この作品をシェア

pagetop