私が恋した男〜海男と都会男~
やがて作業を終えたのか漁師さんたちがぞろぞろと食堂に向かって歩いてくるのが見え、海斗さんの姿もある。
「麻衣ちゃん、みんな分のお茶を出してもらえるかしら?」
「はい」
私は人数分のコップに麦茶を注いでいると、漁師さんたちが食堂に入ってきた。
「おー、ヒデ子婆ちゃん、それにそっちは―…」
「初めまして、九条麻衣と言います」
「あー、海斗が助けた娘(こ)ってあんたか。へぇ、案外若いな」
「海斗もなかなかやるなぁ」
「えっと…」
漁師さんたちは私の頭のてっぺんからつま先までじろじろと物珍しそうに見るので、どう反応していいか困るんだけどな。
「じろじろと見ていると、麻衣ちゃんが困るでしょ?」
「はいはい、分かりました」
ヒデ子婆ちゃんが注意すると漁師さんたちが椅子に座り、また事務所のドアが開いて、今度は数人の女性たちが入ってきた。
「あんた、お弁当!!今日は佃煮を持ってきたわ」
「おう、ありがとな」
漁師さんたちが嬉しそうにお弁当を受け取っているのをみて、こういう夫婦関係っていいなぁと思う。
「海斗、今日はお握りと野菜炒めにしたわよ。しかもね、その野菜炒めは麻衣ちゃんが作ったのよ」
「ヒデ子婆ちゃん、言わなくていいです!」
「………」
あぁヒデ子婆ちゃん、わざわざ私が作ったなんて言わなくてもいいのに……。
ヒデ子婆ちゃんが海斗さんにお握りと野菜炒めが入ったタッパーを渡すと、海斗さんは表情変えずにそれを受け取った。
野菜炒めの味付けはソースだけというシンプルなものだから不味くはないと思うけど、どんな反応をするのかドキドキする。
「麻衣ちゃん、みんな分のお茶を出してもらえるかしら?」
「はい」
私は人数分のコップに麦茶を注いでいると、漁師さんたちが食堂に入ってきた。
「おー、ヒデ子婆ちゃん、それにそっちは―…」
「初めまして、九条麻衣と言います」
「あー、海斗が助けた娘(こ)ってあんたか。へぇ、案外若いな」
「海斗もなかなかやるなぁ」
「えっと…」
漁師さんたちは私の頭のてっぺんからつま先までじろじろと物珍しそうに見るので、どう反応していいか困るんだけどな。
「じろじろと見ていると、麻衣ちゃんが困るでしょ?」
「はいはい、分かりました」
ヒデ子婆ちゃんが注意すると漁師さんたちが椅子に座り、また事務所のドアが開いて、今度は数人の女性たちが入ってきた。
「あんた、お弁当!!今日は佃煮を持ってきたわ」
「おう、ありがとな」
漁師さんたちが嬉しそうにお弁当を受け取っているのをみて、こういう夫婦関係っていいなぁと思う。
「海斗、今日はお握りと野菜炒めにしたわよ。しかもね、その野菜炒めは麻衣ちゃんが作ったのよ」
「ヒデ子婆ちゃん、言わなくていいです!」
「………」
あぁヒデ子婆ちゃん、わざわざ私が作ったなんて言わなくてもいいのに……。
ヒデ子婆ちゃんが海斗さんにお握りと野菜炒めが入ったタッパーを渡すと、海斗さんは表情変えずにそれを受け取った。
野菜炒めの味付けはソースだけというシンプルなものだから不味くはないと思うけど、どんな反応をするのかドキドキする。