俺の妹が可愛すぎて。
「なに?どうしたんだ?」
「な〜に〜?あ、まさかユキ、覗き見ぃ?」
キョトンとしているケーゴさんの横で、母さんが怪しい笑顔で俺に近づく。
「ち、ちげぇよ!シャワー浴びようと思ったら、優花がいたから。」
「えっ、さっき母さんあんたに言いに言ったじゃない。『優花ちゃん、先にシャワー浴びるって言ってるから、その後入りなさいね。』って。」
「へ?言ってたっけ?」
「なに、訊いてなかったの?」
……
そういえば、さっき荷ほどきして部屋の片付けをしてた時、誰か部屋に来た気が……。
でも、音楽かけながらしてたから全然わかんなかった…。
完全に、俺、不利……。
言い訳ももう何も思いつかず、やっちまったと少し落ち込んでいると…。
ガラッ…。
脱衣所の扉が少しだけ開いた。
振り返ると、少しだけ開いたその隙間から優花がなんとも恥ずかしそうな目と表情をしながら、こちらの様子を伺う。
「あ、優花ちゃん。大丈夫?ユキに変なことされなかった?(笑)」
「バカ、何にもしてねぇし、俺。」
相変わらず怪しい笑顔で笑う母さんに、俺は素早く突っ込む。
すると、優花は母さんの言葉にコクンと小さく頷くと、そそくさと二階へと逃げるように駆け上がっていた。
フワリと鼻を掠めたシャンプーの香りが、さっきの優花の姿をまた思い出させる。
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