あなたが作るおいしいごはん【完】

「…もう、これからは隠し事しません。
困った時は必ず相談します。
行き先もちゃんと言います。

…だから…薮嶋母子を
警察沙汰にはしないであげて!!」

私のお願いに

『…萌絵…本気なのか?

薮嶋恭平の父親は
萌絵が望むなら薮嶋恭平の
状態が安定次第
出頭させるつもりらしいよ…?

…なのに…それでいいのか?』

彼は驚きながら私にも聞き返した。

私は頷きながら

「…警察沙汰にすると
和亮さんにもいつか迷惑をかける。

それに、私にも非はあった。

薮嶋恭平のした事は
やっぱり許せないから
もう会いたくないし
寛子さんの要望には応えないけど
薮嶋恭平が昔みたいに
優しい人に戻れたその時は
和亮さんみたいに
心から料理を好きな男性に
なって貰えてたらいいなと思う。」

そう言い終えた時

『…萌絵。』

私の方人差し指を剥がすように離すと

『…それでいいなら
靖雄さんが立てた弁護士にも伝える。

……萌絵は優しいな。
俺…ますます好きになった。』

と言った彼に優しく唇を塞がれ



……私達は今日3度目のキスをした。




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