あなたが作るおいしいごはん【完】
【4】
初めて溶け合う甘い時間
***
「…う〜ん、おいしい!!」
おいしくて箸が止まらない。
「…やっぱりこの味だね!!
和亮さんが作ってくれる
《ミーゴレン風五目焼きそば》は
大好きな大きい《海老》が
たくさん入ってるし
“チリパウダー”のピリ辛加減と
《目玉焼き》の黄身が
上手く絡み合うから
いつ食べても凄くおいしい!!」
実際に凄くおいしくて
どんどん食べ進める私を見て
『…それだけ食欲あれば安心だよ。』
と、エプロン姿の彼は
キッチンから出てくると
優しく微笑みを浮かべながら
『…俺も一緒に食べるとするか。』
と、私の向かいのテーブル席に座った。
翌日の金曜日。
医師から鎮痛剤を処方され
予定通り私は午前中に退院許可が出た。
病院を出る事が出来た私は
彼の運転する車に乗せられると
2人で暮らすマンションへと
無事に帰る事が出来た。
いつもと違って
想いが通じて初めて帰るこの家に
一歩足を踏み入れた時
『…おかえりなさい…俺のお姫さま。』
ドアを閉めた彼が私の頬にキスをした。