愛すと殺すと
そこから一時間サボって、教室に帰ると布留くんはいなかった。

待ってたけど授業始まっちゃうし、手紙を渡し――用件を伝えた。


とりあえずミッション成功。


なんとか約束を反故にしようとする彼らをのらりくらりと交わし、土曜を迎えた。




「…今ついた、と」


チョコレートの入った買い物袋をぶら下げ、陽紀くんの部屋の前にたつ。

携帯を片手で操作し、先生にメールを送った。

送信済み、が表示されたともに、着信を設定から変える。



もちろん、洋楽に。



一通り用意は済んだ。


ピンポン、と昔アパートだったチャイムを鳴らす。

「…いません」

「彼女さん。言い訳はよして入れなさい」

それが客人を迎える態度か。

ちなみに陽紀くんがいないのは知っている。
先生はそれも頭に入れた上で私に言ったのだ。

がチャリとドアが開き、心底嫌そうな彼女さん、否千晶ちゃんが顔を出す。

…まあ、私服はそれなりかな。

「彼女さんっ!ほら、作りましょうよ?」

にっこにこの笑顔を向ける。
呼び名がわからないから、とりあえず彼女さんか千晶ちゃんで。

無理矢理家の中に入り、二つあるキッチンのうちの一つに袋をおく。


間取りは説明済みだ。
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