LOVEFATE~理由~


「泣いてた?
目、腫れてるよ」



「あ、はい…」



まだ、腫れているのか……



目が腫れているのは知っていたので、

家を出る時もお母さんには顔を合わさず出掛ける事だけを、

遠くから伝えた




遅い時間からの外出も、
最近私が俊ちゃんと付き合い出した事を知っている母親は、

私が向かいの家に行くのだと思い込み安心してか、
とくに行き先も訊かれなかった





「こうやって見ると、
英梨ちゃんは蘭子に似てる」




その言葉は、今の私には本当に辛いものでしか無かった




私は蘭子ちゃんに似ているから、

俊ちゃんは私を代わりに……



完璧にそっくりそのまま似ていればいいのだけど、


私は蘭子ちゃんの劣化品だから





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