【BL】君と何処へ行こうか?
メッセージカードに綴られていたのは、
『親愛なる麻斗
喜び、笑い、涙して、
共にある永遠を誓おう。
生まれてくれたことに 感謝を。』
という何とも澤村らしい言葉だった。
読んでるこっちが恥ずかしくなるよね、本当。
澤村家に着いて、僕は彼の部屋へ向かう。
いつもなら直ぐに出迎えに来るはずなのに、今日は姿を見せなかった。
そんなに忙しいんだろうか。
廊下で擦れ違った組員曰く、一度帰宅してから仕事があるから部屋に籠ると言われたらしい。
部屋に行くべきか悩んだが少しぐらい息抜きも必要だろうと、顔を見せることにした。
部屋の前に来ると、いつもは感じない緊張感が身にまとわりついた。
少し息を吐いてドアをノックする。
返答がなかった。
もう一度ノックをしてみるが結果は同じだった。
いない、のかな?
中の様子を伺おうと少しだけドアを開けて、隙間から覗き見る。
僕はその姿勢のまま数秒間固まっていた。
そんなはずはないと、頭が理解したがらなかった。
隙間から見えたのは、絨毯をどす黒く染めている血痕。
けれど頭がそれを受け入れた瞬間、僕は勢いよくドアを開けた。
目の前に広がった光景、それと同時に腕から花束が滑り落ちていく。
部屋の真ん中で血に濡れ倒れているのは、間違いなく澤村 一樹だった。