【BL】君と何処へ行こうか?


メッセージカードに綴られていたのは、


『親愛なる麻斗


喜び、笑い、涙して、

共にある永遠を誓おう。


生まれてくれたことに 感謝を。』


という何とも澤村らしい言葉だった。


読んでるこっちが恥ずかしくなるよね、本当。



澤村家に着いて、僕は彼の部屋へ向かう。


いつもなら直ぐに出迎えに来るはずなのに、今日は姿を見せなかった。

そんなに忙しいんだろうか。


廊下で擦れ違った組員曰く、一度帰宅してから仕事があるから部屋に籠ると言われたらしい。


部屋に行くべきか悩んだが少しぐらい息抜きも必要だろうと、顔を見せることにした。



部屋の前に来ると、いつもは感じない緊張感が身にまとわりついた。


少し息を吐いてドアをノックする。


返答がなかった。


もう一度ノックをしてみるが結果は同じだった。



いない、のかな?


中の様子を伺おうと少しだけドアを開けて、隙間から覗き見る。


僕はその姿勢のまま数秒間固まっていた。


そんなはずはないと、頭が理解したがらなかった。


隙間から見えたのは、絨毯をどす黒く染めている血痕。


けれど頭がそれを受け入れた瞬間、僕は勢いよくドアを開けた。


目の前に広がった光景、それと同時に腕から花束が滑り落ちていく。


部屋の真ん中で血に濡れ倒れているのは、間違いなく澤村 一樹だった。


< 15 / 18 >

この作品をシェア

pagetop