僕らの恋に永遠の名を。
「…誰もいねぇな」
先輩が入ったのは、どうやら保健室みたい。
先生、いないのかな。
すとんっと、近くにあったベッドに下ろされる。
先輩が、かかんで私の顔を覗き込んだ。
「上向いてみ?」
素直に従うと、鎖骨辺りを触ってきた。
「うっ、ひゃ、」
くすぐったくて、変な声が出る。
「あいつどんだけの力でやってたんだよ。めっちゃ赤くなってる」
「大丈夫です、もう…」
「つーか、なんでこんなこと…」
まぁ、先輩のせいなんだけどね…。
「なんで俺のせいなんだよ」
「え…」
私、声に出して言ってたかな!?
「あぁ、わり、柊也が」
柊ちゃんも同じこと考えてたんだ。
ていうか、愛先輩の態度見れば誰でもわかるかな。
「あ、の、先輩」
「なんだ?」
「なんで、私のところに?」
「あぁ、南センセーんとこ行ったら、梓が来なくて珍しいとか言ってたから」
智兄かぁ。
わざわざ探してくれたんだ、先輩。
「えと、ありがとうございました」
「いや、なんか俺のせいみたいだし、ごめんな」
優しいなぁ、先輩。
「そーいえば、南センセと付き合ってんのに、俺と付き合うみたいなこと勝手に言ったのも、悪かったな」
「そのことなんですけど…、私、先生と付き合ってなんかないですよ」
「そうなのか?」
そう言いながら、私の隣に先輩が座った。
「幼馴染み、なんです」
「…」
ぽかん。と口を開けている先輩。
そ、そんなに驚くことかな…。
「え、んじゃ、柊也のことも知ってるってことか?」
「知ってるというか…むぐっ!?」
突然、先輩に口を塞がれる。
「柚里君もさぁ、なんであんな子選んだのかねー、意味不だゎ、まじぃ」
ドアの向こう側から聞こえる声。
先輩の方に顔を向けると、静かに、と言うように人差し指を口に当てた。
その合図に、少しだけ頷く。
「ユズがあんなの好きなわけないじゃん。どーせ、あいつがなんか脅しでもしてるのよ」
この声は、愛先輩?
と言うことは、ドアの前で話してるのは、さっきの集団?
3年生の教室は1階で、この保健室も1階にあるから、
いても不思議なことじゃない。
だけど、なんで今…。
さっきの恐怖を思いだし、微かに震え始める体。