ワケあり!?社内恋愛
階段を下りて、亜由美さんを探した。
亜由美さんは、一番奥の椅子に座っていた。
旅行に行くなんて言っておきながら、
持っているのはあたしの家に来た時と同じ、手荷物一つで……。
「……あそこに、亜由美さんがいます」
「は?」
まだ遠く向こうにいる亜由美さんの存在に気づいていなかった那月さんが、首をかしげて指差す方向を見やる。
そしてその存在に気づいた。
「あいつ、何やってんだ?」
「……別れたって……」
「え?」
その言葉に、目を見開いて振り向く。
だけどあたしは、顔を伏せたままで、那月さんの顔を見れない。