ワケあり!?社内恋愛

「は?いやいや、お前何言ってんの?」
「何言ってるの、は那月さんですよ。
 人をここまで連れてきて」
「それはっ……
 っつか、起こせよ!」
「起こしましたよ。起きなかっただけで」


嘘だけど。


「それともあたしのこと、意識なんかしてます?」
「するか、アホ」
「……」


そこまで即答されると、ちょっと腹が立つ。

あたしはたたずむ那月さんを置いて、さっさと改札に向かって歩き出した。


「早く行きましょうよ。
 寒いです」


「……ちっ……。

 どうなってもしんねぇぞ」


そうつぶやいた言葉を、あたしは聞き逃さなかった。


どうなってもいい。
むしろそれを望んでいるから……。


だけどその言葉には気づかないふりをして、改札を通り抜けた。
 

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