桜が咲く頃~初戀~
おばぁちゃんの退院
『あっ、お姉ちゃんが笑ってるぅ。1人で!』

彩未の声に香奈は顔を上げると運転席と助手席の間から変な形で目から上だけ顔を覗かせて後部座席の香奈を見ながら不思議そうに見ていた。

『何?何を考えていたのやら』

と、運転しながら紀子はバッグミラー越しに香奈を見るとニヤニヤして笑った。香奈はミラー越しに目が合った紀子に「ちがうちがう」と右手をバタバタさせてから気まずくなり走る車の流れる外の景色に目を泳がせた。


『彩未な。ピンクのお花のワンピース買って貰ってぇ。赤い紐の靴買って貰ってぇ。白いモコモコのセーター買って貰ってぇ。襟が可愛いブラウスとかも。買って貰いたいねん。お母さんいいやろ?』

彩未は買って貰える新しい洋服の事が頭を占めているのか?そんは話を楽しいそうにずっと話している。


『そうね〜彩未の好きなの買ったらいいからね』

そう紀子が言うと彩未は余程嬉しいらしく自分の顔を両手で挟むとニコニコしながら紀子を見ていた。

彩未は香奈とは違い感情は素直で可愛らしい。

そんな話をしながら車はデパートの立体駐車場へと入って行った。


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