桜が咲く頃~初戀~
デパートの2階が婦人服売り場で3階が子供服売り場だったので彩未と紀子は3階へ行き。香奈は紀子からまとまったお金を渡されて2階に1人残った。

とりあえず1度香奈はフロアーを早歩きで一周してから色々なお店から気に入りそうなショップに数店入ってみた。随分洋服も買っていなかったので何をどう買えば良いのか流行りがどんな物かもんかも分からなかったが。

無難な黒のスキニージーンズを2本とバーゲンになっている白い細身のタートルのリブのセーターと同じ色違いの黄色を選び無地の黒のパーカと青いCONVERSEのハイカットのスニーカーを買った。


春服も買いなさいと言われていたのつでリネンのシャツを水色と薄いグリーンで同じデザインを揃えた香奈は昔からだいたいシンプルで似たような服しか選ばないのだ。


そうしているうちに3階で彩未の服を買い終えた紀子と彩未が2階のエレベーターの前にある長椅子に座って待っている香奈の前にやって来た。

紀子は香奈が買っていた服を右手を顎に当てながらしげしげと見つめると香奈を連れて、入口付近にある少し高そうなショップに入って行った

淡いグリーンの柔らかそうなシフォンフレアロングスカートと白のコットンクレープブラウスとベージュのバレイシューズ。それに白の麻紐で編んだシンプルで丸いショルダーバッグを買って香奈に渡した。

『え?お母さんこんなん着ないかもしれへんけど?』

と少し変だなと思いながら香奈は紀子に言うと紀子はニヤリと笑い香奈を見て


『そのうち絶対着る事になるから』

そう言った。


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