桜が咲く頃~初戀~
香奈はおばぁちゃんの言っている意味が分からなかったがこれ以上はおばぁちゃんは何も言わないと思い『うん』と答えた。

朝食も取り終わり一段落ついた頃にシンシンと外の風が冷たさを増して来て香奈の鼻の先に雪の匂いがした。おばぁちゃんもそれを思ったのか?
勝手口を開けて顔だけ外に出して


『ほれ!雪や。雪が降ってきた』

と言った。香奈も彩未もその声に勝手口からおばぁちゃんみたいに頭だけ出した

チラリチラリと小さな雪が冷たく寒い風に舞っていて静かに幻想的な姿を見せていた

『う〜わぁー!雪降ってきたぁ!!』

と彩未は叫ぶと外に走り出てクルクルと庭を回りながらはしゃぎ出した。


『香奈。この雪は積もりそうやな?積もり始めたらあの桜ん所行ってみたらえいね。バァは彩未ちゃんと家におるし』


と言いながらおばぁちゃんは、ニヤリと笑って見せた

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