桜が咲く頃~初戀~
奇跡
そこにピコーンと1件のLINE通知が入った。圭亮は頭を乗せていた両手を解放させると少し起き上がりベッドの横に置いてあるスマホに手を伸ばした。

画面には彩未からだとポップアップ表示されていた。圭亮はベッドから起き上がると座り直してスマホを開けた


《おにいちゃんえ。彩未です。LINEのお友達教えてくれてありがとう》

と書いた後に可愛いクマがハートを抱いたスタンプが貼られていた。

伊藤のおばぁちゃんの家で先程おばぁちゃんの退院祝いをしていた時に彩未がスマホを買って貰ったと嬉しそうに圭亮に見せてきた時


『お兄ちゃん。LINE出来る?』

そう言われて圭亮は彩未とLINEをフルフルして交換していたのだ。

『彩未ちゃん?LINEとかして怒られない?』

と圭亮は彩未に聞くと彩未は自慢そうに

『うん。お母さんと、お姉ちゃんと、お父さんと、お兄ちゃんなら良いよってお母さんがさっき言った』


そう言って本当に自慢そうに笑った顔が香奈とおばぁちゃんに似ていて笑いそうになった。



それを思い出しながら

《彩未ちゃん。今日は美味しいお寿司とケーキありがとう》


と返信しておいた。


《それと、お母さんがおねえゃんの番号をお兄ちゃんに教えてあげなさいって0801×3××78です》

と更に入って来た。

《あつ、これ香奈ちゃんのやね?了解です》

と送り返して彩未からのLINEの返信は来なくなった。





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