桜が咲く頃~初戀~
『香奈ちゃん。ただいま』


圭亮はさっき掴んだ花弁を香奈に渡しながら言った


『お帰りなさい』香奈は答えると圭亮が傍にいる事が嬉し過ぎて鼻を赤くして泣き笑いになった。

そんな香奈が可愛いと思った圭亮は香奈の頭に手を乗せて


『香奈ちゃん。これからも末永くよろしくお願いします』


と、言うと圭亮はぺこりと香奈の頭に自分のおでこを乗せて丁寧にお辞儀をした。

香奈は綺麗な笑顔で頷いた。


春なのにまだ、肌寒い風が海の方からピューと鳴きながら吹いて来ていたけれど桜の樹の枝の隙間からの木漏れ日はポカポカと暖かさを帯びてキラキラと光りとても綺麗だと2人は思った。


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