ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
 オペから四年、当時、ぼくの視界には未だ星の輝きは戻っていなかった。


 星の輝きを視界から失ったからではないのだが、この世で同じくらいに美しく輝く宝石たちの側で働くことを求めたのかもしれない。

「星座と誕生石って何か関係有るのかなぁ」

 入院している間、主治医や看護士にはもうひとつ有った身体の異変を相談していなかった。

 視界のことだ。

 きっとそんなことを相談しても信じてもらえなかっただろう。星の輝きだけが見えないなんて。
 ぼくは当時、家族や珠希には適当なことばを見繕って、そのことをごまかした。しかし、ぼくと珠希は同じ屋根の下、視力の異常を隠し通すなんて出来るはずもなく、珠希にだけは正直に話していた。相談していないことも。そして、ふたりして奇跡が起こることを祈っていた。


 月日は、ぼくの身体の異常とは関係無く流れていく。
 ぼくの気持ちなんてこれっぽっちも気にせずに……。
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