ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
 まるでおもちゃ箱をひっくり返したように幼き頃の記憶の断片を、ひとつひとつ確認しながら辿っていく。

 その昔、ぼくは獅子座流星群と呼ばれる流れ星の大群をみるために、家族と一緒に親戚が経営する会社があるビルの屋上に上がった。七階建てのさほど立派でもないビルディング。でも、ちいさかったぼくにとっては、凄く大きく、そして高かった。


 エレベ−タ−は大きな音を立てながら、ゆっくりと動き出してぼくたちをその場所に運んでくれる。


 少しだけ空に近い場所。


 エレベ−タ−から降りたぼくは満天の星空を見上げて、はしゃぎ、辺りを走り回っていた。宙(そら)に近づけたことがなぜだか嬉しかった。
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