ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
 ぼくは、長々と女々しいメール文を作り、一旦、送信トレイに保留する。

「これでいいんだ……」

 stray・catがリズミカルに流れる。

 このメールを久留美に送れば、この一週間の間に生まれた愛情も欲望も消えてなくなってしまう。久留美の辛さが解るからこその決断。

「うん」

 ぼくは、星が見えなくなってしまったことや、障害を持って生まれたことを、久留美に出逢うために選ばれた人間だからだと思った。

 ゆっくりと送信ボタンを押す。

 ぼくの最後のメールが久留美に向かって飛んでいく。そしてそのままぼくの意識が遠退いていく。さっき飲んだビールが今頃になって回ってきたのか、ぼくはそのまま、ソファーに座ったままに深い眠りに落ちていく……。


 迷子の子猫がぼくの身体を揺り動かす? 


 ぼくの意識の奥深くに、ひとつの流れ星が通り過ぎる……。


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