ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
「あれが、あたしたちが住んでいる場所? 地球なん?」

「そうだよって、ぼくも初めて見たんだけどね」

 笑いながら久留美を抱く手に力を入れる。

「あぁっ!」

 目の前に大きな月が現れて、ぼくと久留美の横を通り過ぎる。

 初めて見る大きな月に、ぼくと久留美は歓喜の声を上げた。
 アリスタルコスにコペルニクス。ユラ山脈を辿っていくとプラトーがアンデス山脈の中に横たわっている。
 クレーターは彫刻刀で削りとられたように正確に造られていて、太陽の光りで薄紫に輝いている。

「きれい」

 ぼくは久留美の華奢な肩に手をやり、体勢を変える。


 久留美の心臓音が、耳元で加速する。


 やがて久留美は子猫のようなソプラノを謳い上げ、白い身体をくねらせてぼくの背中に爪を立てる。久留美の中心から熱いマグマがあふれ出し、そのマグマに触れてみると、ぼくの身体の中心部にダイヤモンドで出来た硬い剣が姿を見せる。


 ぼくの心臓音も加速する。


 ダイヤモンドの剣は、月明かりに照らされて一瞬キラッと光り輝いた。久留美は瞳を綴じ、静かにぼくを待っている。

 ぼくはダイヤモンドの剣を振りかざして、久留美の身体からドロドロとあふれかえるマグマの中心を狙って、思い切り突き刺した。


 久留美のソプラノが大きく響きだす。


 マグマの中に入るダイヤモンドの剣。ぼくと久留美は重なり合ったまま、大宇宙の旅に出る。
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