変わりゆく華たち 第一幕 散ル華




「なぁ、つっ立ってよそ見してる場合じゃないだろ」



刀を横持ちにし、その一の腹に思い切り刀を入れ込んだ。



「ガッ……!」



その一の男は膝から崩れ落ち、倒れた。


あーあ、弱いな。もう少し鍛えたほうがいいと思うんだけどな。



「……っ!!」



その二、その三に目を向けると、つばを飲み込み一歩後ろへ下がった。



「まだ殺るのか?それならいくらでも相手にしてやる」



「…っ!!
クソッ!行くぞっ!」



その二、その三はその一の肩を持ち、走り去って行った。



どうせ結果なんて目に見えてるのに、こんな事をするからそうなるんだ。

人間は本当によくわからない。



さて、俺もそろそろここから離れるか。いつまでもここに居座れば奴らが来る。


奴らというのは、ここ二月(ふたつき)ほど前にこの京の町にやって来た--



「あ、あの!」



< 18 / 108 >

この作品をシェア

pagetop