変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
声のした方を見ると、先程あの三人の浪士に捕まっていた女がいた。
「…何だ」
「あ、あの…さっきは助けてくれはって、ほんまおおきに。」
お礼をするために呼んだのか?
礼儀があるんだな。
それにしても、先程のアレを見ていたのに何とも思わなかったのか?
「それで私、あなたにお礼をした--」
…!!
「悪い、そういうのは要らない…というか……また今度にしてくれると助かる」
女はえ?と驚いた顔をしているがそれどころではない。
「それじゃあ失礼する」
俺は足はやにその場を立ち去る。
さすがにあのままのんびりとあの女お話してる場合ではない。
なんせあの、
壬生浪士組
が、歩いてきてるのだから。
俺は被っている笠を深くかぶり直した。