変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
……まあ、こんな感じで俺の言葉にかぶせて、適当な理由をつけ、この道場に連れてこられた。
思い出しただけでもイライラしてくる。
にしても、こんな朝早くからよくやるな。
組長の勝手な判断で。
俺は無理だな。
朝はゆっくり寝てたい派だ。
だいたい今日は一睡もしてないからさっきから欠伸がよく出る。
「ちょっとー、何呑気にあくびしてるの〜?」
意外と力がある斎藤が道場方面から歩いてきた。
「貴様らが夜通しで話すから、こうして欠伸が出るんだ」
「ふーーん。あっ、暇ならさ、僕たち隊士の稽古をつけて?」
稽古?
ハッ、ふざけるな。
何故貴様ら人間のために稽古を付けなくてはいけないんだ。
それといつ俺が“暇だ”と言った。
俺はそんなこと言った覚えはない。
「断る。俺は暇ではない。あとさっさとこの場所から出て行きたいんだ」
「そんなこと言わないでよ〜。困るんだから〜」
俺は此処から出て早くアイツを見つけなくてはいけないんだ。
「へ〜、そんなに出て行きたいならさ、僕とコレを使って勝負しようよ」
「あっ、総司〜。もう!稽古をほおっておいてどこに行ってたの?」
頬に空気を入れふくらましながら怒る斎藤は、沖田の胸部あたりをポコポコと殴っている。
お前は女か。
「ちょっと、伊織ちゃん?聞いてる?」