上弦の月
「そうですか、ありがとうございます。本当助かりました。えーと…新庄さん?」
「正解。よく覚えていたね」
「暗記は昔から得意なんでここにいる方の名前は全て覚えているつもりです。それと、新庄さんは女性からの人気がお有りだったので特に目立ちましたから」
「そうなんですか、金村さん」
「まぁ、わたしの名前も覚えてくださったんですね。
では、わたしはこれで失礼します」
この場所から離れると言うより、早く田中さんに掴まれた手を洗いたかった。
そして、そのまま体調が悪くなったと嘘をつき家に帰った。