Crescent



結局、電話は掛けずに入浴して部屋に戻ると。
着信音が鳴り出した。


もしかして澤野さん?
友香かもしれない。
表示された名前を確認した途端ドキッとした。


澤野さんだった。
すぐに謝ろう、そう思って電話に出た。


《琴音ちゃん?
昨日は電話くれたのに話せな――――》

《突然、電話を切ってしまってごめんなさい!!》


《えっ……》



澤野さんの口から昨日の事が出て謝ろうと焦ってしまい。
最後まで聞かずに謝ると驚いたような『えっ』という声があり一瞬、間が空いた。


焦りすぎた。
澤野さんからは何も聞こえて来ない。




《ぷっ……、琴音ちゃん焦って言わなくても別に怒ってないし》



電話の向こうからいつも通りの澤野さんの声が聞こえてほっとした。



良かったぁ。
昨日の事は澤野さんは気にしてないようだった。


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