Crescent
あの日から澤野さんに電話をしてない。アンジュにも顔を出してない。
澤野さんにどんな顔をして会えばいいか分からない。
あの後、公園の前を通った時には、もう隼人の姿も見えなくてほっとして家に帰った。
あれから2週間。
隼人が私の前に現れる事はなかった。
きっと私の気持ちを分かって考え直してくれたんだと思う。
ある日、また登録してない番号から電話が掛かって来た。
一瞬隼人からかと思ったけど隼人の番号は着信拒否したままだったのを思い出し、とりあえず出てみた。
《はい?》
《琴音ちゃん?》
この声には覚えがあった。
《私、橘みずきだけど》
橘さん?
《私の携帯の番号よく分かりましたね》
《店長から聞き出したから》