Crescent



「それ本気で言ってるの?」


橘様の顔が恐ろしいほどの怒りの表情に変わった。


「店長さぁ、いいかげんにしなよ!!
隠したってムダなの。

琴音ちゃんの名前が出るたびに動揺しまくりじゃない。
自分の気持ち抑えるのは止めたら。

それに過去に縛られてたら何にも変わらないでしょ」



過去に縛られてたら、か……。



「ご馳走様でした」

橘様は急に立ち上がった。


「ご馳走様ってまだ水を飲んだだけでパン作ってないし食べてないじゃないですか」


「前と味は変わってないのに最近店長の作るパンを食べても元気でないのよ。

ここのパンは美味しいだけじゃない食べると不思議と元気になれる。
だから気に入ってたのに……。
悪いけど今日は帰るわ」



橘様はパンを食べずに帰ってしまった。


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