Crescent
「あの~店長、お話し中のとこ悪いんですけど」
澤野さんに声を掛けてきたのは澤野さんよりも若い男の人だった。
学生さんかな?
「こいつはアンジュのもう一人の従業員で笹島透」
「あっ、どうも笹島透です」
「早坂琴音です。
アンジュの従業員って事は学生さんではないんですよね……」
「はっ?」
「琴音ちゃん?」
「あの、てっきり若く見えたから学生のアルバイトかなって思って」
「そういえば俺アンジュのお客さんからも学生かって訊かれた事がある。
一応24歳なんだけど」
「そ、そうなんですか…」
が、学生に見えちゃった…童顔なんだ。
「それで透、どうした?」
「もう閉店時間なんでいいですか?」
「あぁ、もうそんな時間か。
帰っていいぞ。
真下ちゃんにも言ってくれ」
「分かりました。それじゃあお疲れ様です。」
「お疲れ様」
笹嶋さんは頭を下げるとそのまま行ってしまった。
少しして私は食べ終える。
「ごちそうさまでした。本当に美味しかったです」
「琴音ちゃん今日はありがとう。
美味しいって食べてくれたから、安心してお店に出せるよ」
「でも、他の人も試食するんですよね?」
「うん、まあね。
そろそろ帰ろうか」
「はい」