Crescent
私はアンジュから澤野さんと歩きながら公園まで来た。
いつも家の近くまで送って貰っていたけど、澤野さんは遠回りになってしまう。
悪いなと思って今日は公園からは一人で帰るつもりでいた。
「ここまで来ればもう近いから、一人で大丈夫です」
「いいよ。
行こう」
「えっ、でも……遠回りに」
グイッ!!
「えっ……?」
急に引き寄せられて何があったかわからない。
眩しい光が当たり直ぐ近くを車が通り過ぎて行った。
「…危ねぇ。
狭い道をスピード出して走りやがって……。
琴音ちゃん大丈夫だった?」
「あ…、だい……じょうぶ……です」
澤野さんに抱きしめられたような形で身体を預けていた。
状況を理解した私はなんだか恥ずかしくなり、離れようとしてよろけてしまった。
「わっ…大丈夫?」
「大丈夫、です……」
思わず触れてしまった身体から慌てて手を放した。
澤野さんに触れた途端にドキンッと跳ねた心臓は、離れてもまだ鳴っている。
顔が熱くなった気がした。