Crescent
「えっ?そうなの」
魔法ってパンだったんだ……
「駅前通りにあるお店なんだけど…知らなかったの?」
「うん、知らなかった」
「お昼時なんて凄く混んでいるんだよ。
それにアンジュの店長ってカッコイイんだから!」
パン屋の店長……。
確か、声の感じでは二十代後半ってとこかな。
月明かりと公園の中の僅かな照明であの男の人の顔ははっきりとは見えてなかったけど、一緒に居ても不思議と嫌な感じはなかった。
……でも、あの人が店長とは限らないか。
「ねぇ、私も食べていいんでしょ?」
「うん。着替えて来るから待ってて」