Crescent


暫く三日月を眺めてると、急に冷たい空気が頬や首に当たった。
なんだか寒いな……
身体が冷えちゃった。


今、何時かな?
携帯に表示されている時間を確認すると結構遅くなっていた。


「私、そろそろ帰らないと」



「ちょっと待って、これ良かったら食べて」


立ち上がった私にその男の人は袋を渡してきた。


「あの……」


なんだかわからないその袋に手が伸ばせないでいると…


「別に毒なんか入ってないよ。
これは魔法の食べ物で食べたらきっと元気が出ると思うよ」

そう言って私に袋を手渡した男の人は走って行ってしまった。


「魔法……?」



家に着いてリビングに入って行くとお姉ちゃんがテレビを見ていた。


「あっ、おかえり」

「ただいま、お母さんは?」


「さっきお風呂に入ったとこ。
何、おみやげ?」


「これ、貰ったの」

右手に持っていた袋をテーブルに置くと。


「ちょっとっ、これアンジュの袋じゃん!!
ここって美味しいって結構人気のパン屋なんだから!!」



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