駆逐系男子【更新再開】
吉良くんってもしかして、責任感がすごく強いのかな?
でもはぐれたりしたら、確かに吉良くんの迷惑になってしまうよね……
「あ、あの……わかりました」
「ありがとう。じゃあ、左手を貸して?」
彼の右手に、おずおずと自分の左手を近付ける。
男の人と手を繋ぐなんて、小学校の組体操以来かもしれない。
指先が一瞬触れ、恥ずかしくなり思わず手を引こうとする。
ぎゅっ
「きゃっ……!?」
私が手を引くより先に、彼の手が私を捕らえる。
彼は私の手を取り、指を一本一本絡める。
「大丈夫……大丈夫だから、ね?どうかお願い、僕を拒まないで……」