駆逐系男子【更新再開】
「や……だって、恥ずかしい……っ!」
「恥ずかしがる君も可愛いな。……でも、離さない。やっと……やっとこうして触れられたんだ……」
繋いだ手にぎゅっと力が込められる。
温かくて大きな手。
繋がった手から、私の気持ちが伝わってしまったらどうしよう。
迷惑ばかりかけているから、呆れられてしまうかもしれない。
こうして手を繋いでいると、お互いの体温が混ざってひとつのものになった気がして恥ずかしい、けど……
「恥ずかしい、けど……私も、こうしていたい……」
ひとりじゃないんだって。
吉良くんがそばにいてくれるってわかるから。
俯いた私の耳に、彼の笑い声が届いた。